【わかりやすい】リンパ液を流す「リンパ液」とは何?

リンパ液を流す「リンパ液」とは何?

リンパ液の通り道である「リンパ管」について、
ここで少し詳しく説明しておきますね。

 

リンパ管がどういうものかをご理解いただければ、
リンパ液とは何か?その流れ方についても
よくおわかりいただけるはずです。

まず、リンパ管はどこにあるのでしょうか?

リンパ管は、基本的に血液から漏れ出た液を集めて
運ぶわけですから、「血管のあるところにリンパ管はある
と考えていただければ、おおむね間違いはありません。

 

血管は全身に張り巡らされていますから、
リンパ管も全身に張り巡らされている
ということになります。

 

リンパ管は、毛細血管の近くにある
「毛細リンパ管」から始まります。

 

スタート地点である毛細リンパ管は、
全身の皮膚の表面に近いところにあります。

 

また、口腔から食堂、胃、小腸、大腸などの
管の内壁の表面にも分布しています。

 

体内でありながら体の外とつながっている、
いわゆる「中の外」にも
毛細リンパ管網が広がっているのです。

 

体の部分でいうと、筋肉(表情筋)の動きが活発な
顔の表面にはリンパ管が密集していて、
背中の表面はややまばらといった差があります。

 

たくさんの毛細リンパ管が集まって、
「集合リンパ管」となります。

 

集合リンパ管とは?

集合リンパ管は、皮膚と筋肉との間にある
脂肪の中を通っています。

 

脂肪がクッションの役割を果たすことで、
リンパ管がつぶれないように守られているのです。

 

体の表面に近いところを通っているため、
浅リンパ管」と呼ばれることもあります。

 

さらに、集合リンパ管が集まってだんだん太くなり、
次第に体の深いところを通るようになって、
各部の「リンパ本幹」が形成されます。

 

しかし、静脈は川の流れと同じように、
合流して下流に進むほど太くなります。

 

しかし、不思議なことにリンパ管は体の深いところを通る
深リンパ管」となっても、
静脈ほど太く変化することはありません。

 

その太さは、最大のリンパ本幹である胸管でも
直径数ミリにすぎません。

 

おもしろいのは、人間の体内のリンパ管の経路が
左右対称ではないところです。

 

上半身の、左半分りのリンパ管と右半分のリンパ管

上半身の左半分と下半身、腸などのリンパ管は、
体の中心を通る最も太い「胸管」に集まり、
左静脈角で静脈に注ぎ込んでいます。

 

これに対して上半身の右半分のリンパ管は、
右の鎖骨下リンパ本幹に集まって、
右静脈角に注ぎ込んでいます。

 

では、全身に張り巡らされたリンパ管を、
リンパ液はどのように進んでいくのでしょうか。

リンパ液が流れて運ばれる様子をご説明しますね

毛細血管付近で組織液が留まることによって、
液の圧力が高まっていきます。

 

一定の圧力を超えると、
毛細リンパ管に組織液が
沁(し)み込んでリンパ液となります。

 

毛細リンパ管に弁はありませんが、

  • 毛細血管が集まった集合リンパ管
  • 集合リンパ管が集まったリンパ本幹

には弁があり、液が逆流しない構造となっています。

 

また、集合リンパ管およびリンパ本幹の管壁は、
平滑筋という筋肉をまとっています。

 

 

この平滑筋の収縮によるぜん動運動と、
リンパ管の周囲にある骨格筋による圧迫、

 

動脈の拍動による圧迫によって
リンパ管内部に圧力がかかります。

 

 

この圧力が推進力となって、
リンパ液は進行方向にある弁を押し開け、
少しずつ流れていくのです。